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企業詳細情報

株式会社安藤七宝店

繊細でありつつも、華やかな表情を醸し出す七宝。職人の手から手へ、いくつもの行程を経てつくられます。「株式会社安藤七宝店」は140年の暖簾を守る老舗。愛知県が誇る伝統工芸品に独自のアイデアを取り入れ、時代に即した形へと発展させています。

伝統の尾張七宝に新たな息吹を吹き込む


図案に基づき彩色を施す「釉薬さし」作業
 七つの宝が語源となっている七宝。花鳥風月や風景があしらわれ、明治時代には輸出品としても高い評価を得ました。しかし、技術継承の難しさや社会情勢の変化などから、生産者は全国的に減少の一途。そんな中、国の伝統的工芸品に指定された尾張七宝の中核として、明治13年(1880年)の創業以来、140年にわたり暖簾を守り続けてきたのが「安藤七宝店」です。
 七宝は陶磁器ではなく、琺瑯(ほうろう)と同じく金属素地にガラス釉薬(ゆうやく)を焼き付けて作成されます。同社が取り入れているのは、有線七宝と呼ばれる技法です。まずは立体になった時の展開図を考慮して図案を作成。銅の素地に下絵を描き、それに沿ってリボン状の銀線を垂直に接着し、中に釉薬を埋め込んでいきます。色ガラスをすり潰した釉薬は、絵の具のように色を混ぜられません。つまり色彩の数だけ釉薬が必要で、同社では専属の調合師が色づくりから手がけます。輪郭の銀線が隠れるまで色を乗せては焼き、乗せては焼きを繰り返し、その後、目の粗い砥石で表面を滑らかにして、さらに細かい砥石で艶出し。繊細な美しさは、多くの行程を経て生まれます。
 七宝といえば、かつては応接間に飾られた高価な壺や絵皿のイメージでした。が、時代と共に住宅事情が変化し、法人間の贈答も減ったため、同社は新たな用途に活路を見出します。そのひとつが、大手時計メーカーとの協働によるウォッチ制作。職人たちが技術を結集し、試行錯誤を重ね、深い藍色のグラデーションの文字盤を完成させました。「伝統工芸品は1点1点違う手作り感に味わいがありますが、精密機械の場合は色ムラのない均一な仕上がりが求められます。難しい注文にも、現場は本当に良く頑張ってくれました」と代表取締役社長の安藤重幸氏は振り返ります。構想から約2年。製品化の裏には、うまくいかなかったものが山ほどあるといいます。「でもこれで新たなノウハウが蓄積できた。今蒔いた種に、芽が出て花が咲くことを期待しています」。
 他にも宝飾品やアクセサリー、テーブルウェア、建築など、様々な分野とのコラボレーションを実現。名古屋城本丸御伝の襖絵の取っ手には、同社の七宝が施されています。「身の回りのあらゆるものを彩る会社にしたい」と安藤社長。伝統技術を守り発展させることで、さらなる可能性を広げていくことでしょう。

好きなことを仕事にできるのは幸せですね


製品部 入社15年目 廣井 聖資さん
 手でモノをつくることが好きで、窯業高校に進学。卒業後は陶磁器業界へ進むことも考えましたが、機械化が主流のため自分が目指す道ではないと感じた。その点、七宝は1から10まで手作業。知識はゼロからのスタートでしたが、かえって何でも吸収できて良かったと思います。
 主に銀線付けと研磨を専門に行っています。特に銀線付けは最初から興味があり、自ら希望した仕事でした。基本的に道具はハサミとピンセットのみ。用途によって使い分けるため、ピンセットだけで10種類はあります。同じ道具でも人によって使いやすさが違うため、金具の締め具合を調整するなど、みんな自分のやり方に合うようカスタマイズしています。
 毎日好きなことをしているからか、実はあまり仕事という意識はないんです。パズルやプラモデル感覚で、下絵にパチッと線が合うと、ものすごく気持ちいい(笑)。でもずっと同じ姿勢を続けていると、さすがに疲れます。そんな時は、研磨など違う作業を挟むことでリセットできるんです。特注品の場合は、構想から完成まで1年くらいかかることも。営業や工場長からお客様の反応を聞いて、「評判が良かったよ」と言われるとホッとしますね。
 上にはまだまだすごい職人がたくさんいます。100点満点なら、自分は今70〜75点くらい。合格点は取れても、完璧には遠い。1日も早く先輩に追いつき、いつかは1から10までひとりで作品をつくることが夢です。

伝統を次の時代へつなぐのが当社の使命です


代表取締役社長 安藤 重幸さん
 七宝職人は一人前になるまで最低10年といわれます。1日中コツコツ釉薬をさし続け、集中力と根気を要する日々を重ねて、初めてものになる。このスパンの長さが、技術継承を難しくしている側面もあります。長年、金属素地の作成を担ってくれた新潟県の企業が、後継者不足で廃業が決まり、当社が機械も従業員も引き受けることになりました。蓄積した技術を途絶えさせてはいけない。伝統を次の時代へつないでいくことは、当社の使命でもあると思っています。
 一方で、伝統工芸に憧れや興味関心を持つ人は全国各地にいて、ホームページの情報を頼りに当社の門を叩いてくれます。今年5月には南区・笠寺の新工場へ移転。新しい環境を整え、技術を集約し、社員のモチベーションをさらに高めていければと思っています。
 当社の先祖を含め、モノづくりにこだわる職人たちが丁寧な仕事を積み重ね、技術と信頼を積み上げてくれました。しかし世の中は移ろっていきます。100年前のものが、そのまま今の時代に合うわけではありません。お客様の要望に応え、常に必要とされるものをつくることが大切です。社員たちにも専門に縛られない活躍を期待したい。分業にこだわらず、得意技を持ちつつも、いろいろな仕事にチャレンジしてほしいですね。

企業情報


栄と銀座にショールームを構え七宝の魅力を国内外に発信
企業名 株式会社安藤七宝店
所在地 名古屋市中区栄3-27-17
創業・設立 1948年
資本金 48,000千円
代表者 代表取締役社長 安藤 重幸
事業内容 七宝・美術工芸品製作、販売
従業員数 44名(パート含・グループ全体)
職種 事務職、営業職、総務職、製造職
URL http://ando-shippo.co.jp/
掲載開始日:2019年2月21日
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